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関根虎洸著「遊郭に泊まる」

  • 執筆者の写真: 継田恵美
    継田恵美
  • 2019年10月18日
  • 読了時間: 2分

こんにちは。十月も下旬に差し掛かり朝夕は肌寒くなりました。

また台風19号の影響が凄まじく、尊い命が犠牲となり今なお断水や停電の影響のみならず、職場や学校、病院や公共施設が機能せず大変な状況が続いています。心よりお見舞いを申し上げますと共に、一日も早い復旧復興をお祈り致しております。


さて掲題に在ります様に、関根虎洸さんの著書「遊郭に泊まる」を読みました。

圧倒される写真の数々に魅入られ、気づくと夢中でページをめくって居ました。

本当によくここまで丹念に現存する遊郭をめぐられたことと敬意を表します。

そして今なお「旅館」として息づく旧遊郭の建物の艶やかさ。

今となっては建てることが出来ない希少性。のみならず細部の作り込みかた。

どれをとっても、往時現役だった頃に想いを馳せると溜息がでます。

少し前に行った名古屋市の旧中村遊郭跡地は、名古屋駅に近い土地柄もあると思いますが、

遊郭だった建物は取り壊され、なぜかやたらと駐車場や空き地がぽつぽつとあり・・・。

大門と言う名を配したマンションが建っていました。

維持管理の難しさ。所有者が代替わりする中、不動産資産として持ち続けることの難しさ。

土地の有効活用を考えれば、時を経て当然の成り行きとも思えますが、僅かに残った娼楼の

無言のメッセージを感じれば、一日でも長く現存して欲しいと思ってしまいました。

そして関根さんの「遊郭に泊まる」には、その地方に根付いた遊郭の背景を想像させます。

読み手が本のページに吸い込まれトラベラーになり心が飛んで行くようです。

「早く行った方が良いですよ」と関根さんが仰っていましたが、いつこれらの遊郭跡も

跡形もなく消える可能性があるということ。その儚ささえ貴重な気がいたします。

本当に素晴らしい本を有難うございました。ご著書にサインを書き入れて頂きました。

本の詳細⇔「遊郭に泊まる」新潮社2018年7月30日初版 とんぼの本 #関根虎洸

関根虎洸「遊郭に泊まる」







表紙 「新むつ旅館」青森県八戸市

 
 
 

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