天草キリシタン遍路~玉木譲氏新刊本
- 継田恵美
- 2019年1月18日
- 読了時間: 3分

私の尊敬する玉木譲氏が、2018年10月25日に熊日出版より、新刊本「天草キリシタン遍路~世界文化遺産への道」を上梓されました。玉木先生、誠におめでとうございます。
玉木先生とは、知人にご紹介頂き出会いました。天草への取材(2017年冬)の際、ほぼ丸一日ご同行頂き、幅広い範囲の解説やご案内を頂きました。とても穏やかなそして知の宝庫とも言うべき方で
丹念な取材と研究の上、これまでにも共著を含め数々の書籍を世に送りだしておられます。
玉木先生は、天草文化協会副会長、天草コレジヨ館運営委員会副委員長でもあり、
現在、天草の崎津資料館・みなと屋でガイドのお仕事もされておられる生粋の天草人です。
さて、新刊本「天草キリシタン遍路」の第三章・最終章で、『石牟礼道子とからゆきさん』をお書きになられました。2017年冬に天草に取材に訪れた以降も、ずっと先生とは情報交換を兼ね、また私の質問にお答え頂くなどして、交流が続いております。その『石牟礼道子とからゆきさん』の章では、大変幸甚なことに私の事もお書き下さいました。ご当地天草にに生まれ育った玉木先生だからこそ、
石牟礼道子さんが愛ある眼差しで書かれた「からゆきさん」のエッセー「乳の潮」を読解し、御自身の
著書でお書きになられたことと思っています。玉木先生の前職がご当地天草の養老院の事務長でした。その養老院に元からゆきさんだった女性(Kさん)が入所しておられ、様々なエピソードが書かれているのが「天草・木洩れ日が照らす」です。このKさんについて、私が資料を幾つか持っておりましたので玉木先生に差し入れましたところ大変驚かれました。Kさんは、故・今村昌平監督が映画「からゆきさん」を撮影する際、現地マレーシアでガイドをされた方です。つまり主人公の善道キクヨさんを監督に紹介し、更には映画に出てくる天草出身のおマツさんの居る養老院へも同行しています。
このおマツさんを石牟礼道子さんも山崎朋子さんも取材に訪れています。玉木先生は、石牟礼道子さんの「乳の潮」におマツさんが書かれていること、「サンダカンの墓」で山崎朋子さんもおマツさんについて書かれているが、それ以前にKさんについても書いてあることを知り、その人物(Kさん)の最晩年にご自身が関わっておられたことに驚きと偶然を通り越した因縁を感じて居られた様です。
私も点と点の資料が、玉木先生の本やお話から「線」になって行くのを感動して受け止めています。
2018年2月10日に石牟礼道子さんがご逝去されましたが、メモリアルイアーであり、ご著書の中で
石牟礼道子さんについて新たに章を増やされました。石牟礼道子さんというと、皆さんの意識の中では水俣病についての印象が強いと思いますが、石牟礼道子さんは天草の宮野河内のご出身であり、多くはありませんが「からゆきさん」についても「乳の潮」のように書き表した本があります。
玉木先生は「石牟礼道子さんが、からゆきさんについて関心を寄せていたことに触れる初めての本になるかも知れない。」とお話下さいました。私も同感であり、本当に感慨深く思っております。
ご当地天草で生まれ育った玉木先生ならではの目線で書かれた「石牟礼道子とからゆきさん」の章は、読後に心が温かくなるような遠く広がる海を思わせるような素晴らしい結びが綴られています。
是非どうか、お一人でも多くの方に読まれます様にとお祈り致しております。
ご購入は「熊日出版社」よりネット購入が可能です。1800円+税です。宜しくお願い致します。
https://www.kumanichi-sv.co.jp/booksinfo/bookinfo/%e5%a4%a9%e8%8d%89%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%82%bf%e3%83%b3%e9%81%8d%e8%b7%af%ef%bd%9e%e4%b8%96%e7%95%8c%e6%96%87%e5%8c%96%e9%81%ba%e7%94%a3%e3%81%b8%e3%81%ae%e9%81%93%ef%bd%9e/

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